ほかだまり
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語学を学ぶ理由?そんなの1つでしょと教えてくれたフランス人の話

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今や翻訳サービスがたくさんあり、外国語が話せなくても問題ないのでは?という声もちらほら。
これからさらに素晴らしい翻訳・通訳サービスは出てくるでしょう。

ではなぜ語学を勉強するのか?

  • 海外の文化を学べるから
  • いろんな人とコミュニケーションがとれるから
  • 自分自身への理解が深まるから

など、たくさんの理由があると思います。
でもたまに、そうは言っても楽しくないし…
最低限会話できるなら、別にそこまで話せなくてもいいじゃん、て思ってしまうことも。

そんな中で、他の人とは違う「理由」を教えてくれた人がいました。

「外国語をマスターするのは、ジョークを言うためだよ」

私が一番かっこいいと思った理由。
「相手の言語でジョークを言うため」

なるほどっ!

って思いましたね。
それまで、私はそんな風に考えたことありませんでした。

そう教えてくれたのは、私がお世話になったホストファザーのひとり、Jean(ジャン)です。

住んでいたのは、フランス南西部のコルビエール地方の近く。
スペインとの国境であるピレネー山脈の近くの地域です。
主にワインが有名ですね!


出典:google map

この地域は、西側にはバスク地方、南にはスペインのバルセロナがあり、
様々な言語を話す人々が住んでいます。

ジャンが話せたのは、英語、バスク語、スペイン語(あともちろんフランス語)。

彼らは農家民泊を経営しており、ロードバイクの一行や、登山が好きな一行が時に泊まりに来ます。

そのほぼすべての人々をもてなすのがジャンでした。

彼はひょうきんな性格で、面白いことが大好き。
たまに理解不能な一面や、頑固すぎて怖いところもあるのですが、みんなから愛されていました。

さらにすごいのは、料理、音楽がうますぎる!
一度食べた料理は再現することができるし、猪もさばけるし、ギターもピアノも歌もうまい魅力的な人でした。
その上、語学力も。

それで疑問に思って聞いたんですよ。

「なんでそんなにたくさんの言語が話せるの?」って。
特にバスク語はあまり流通していない言語だし。

料理も音楽もできるし、フランス語と英語が話せれば、そんなに困らないのでは?

それじゃあ、つまらない!

たしかに英語やフランス語で話せることは話せる。

でも、バスク語を覚えたら、バスクの人とジョークを話せるでしょ。
スペイン語を話せたら、スペインの人とジョークを話せるでしょ。

言語は、ただ通じればいいわけじゃなくて、笑い合うために必要なんだよ

って言われたんですね。

いや本当に、「目から鱗が落ちる」ってこのことか!

ジャンが言うには、その地方や国ごとに、特有の笑い話やジョーク、みんなが知ってる話題がある。
それを共有できたときが楽しい。

例えば旅先で、宿のオーナーがあなたの出身地あるあるを言ってくれたら。
海外で、他のゲスト客が盛り上がっている内容を、日本語で面白く説明してくれたら。

すごくうれしくて、楽しい気持ちになりませんか?
そうそう!わかる!!って笑い合えますよね。

それは、どんなに私たちが外国語をうまく話せても、ジョークや地域の物語、今話題のニュース、どんなことを面白いと感じるのか、etc…を知らなかったら、わからないことなんですよね。

ただ意志疎通するためではなくて、相手の文化を理解して、相手を笑わせてこそ習得のしがいがあるってもんだ。
そうじゃなきゃおもしろくないでしょ?

いやはや本当に。
深く胸に突き刺さりました。

情報を伝えられるということは大切ですが、その国の「ユーモア」も分かるようになったら、本当にその言語を学んだ甲斐があったなと思えるはず。

この話を聞いてからは、「自分も、相手を笑わせられるようになる!」という視点もうまれました。

語学を学ぶ理由は人それぞれですが、「笑いのセンス」もその一つにしたら、もっと面白くなるかもしれませんね!